かけはしネット

このサイトは、県からの委託事業で作成し、石川セルプ振興センターが運営しています。

株式会社 新興商会 × 株式会社 ハニービー

利用者に合った電力メーター分解作業
2種の働き方がどちらも大きな成果に!
業務委託内容:業務委託内容:電気メーターの分解・分別仕分け、大型変圧器の解体
業務を発注した企業:株式会社 新興商会
業務を受注した施設:株式会社 ハニービー

企業・施設情報

企業名 株式会社 新興商会
所在地 石川県金沢市高畠3-263
TEL 076-291-0164
FAX 076-291-0164
URL
業務内容 製鋼原料、非鉄金属リサイクル業
施設名 株式会社 ハニービー
所在地 石川県金沢市神田2–2–19
TEL 076-244-7766
FAX 076-244–8855
URL http://honey-bee-jpn.com/
サービスの種類 就労継続支援A型施設

企業担当者の声

作業依頼のきっかけは?

平成27年から電力会社の電気メーターがスマートメーターへ総取り替えされることになり、弊社の電気メーター取扱量はそれまでの5倍に増大しました。約10年間にわたって継続する事業なのでとにかく人員を確保しなければならず、納期とコスト面を熟慮して最適と考えたのが、就労施設への委託でした。それまでにもいくつかの施設との就労体験授業などを通じておつきあいがあったので、抵抗感や不安は全くありませんでしたね。
まずは県の障害保健福祉課を通じて希望施設を募り、来社いただいて作業内容を検討してもらいました。その中から作業可能の返事をいただいた約10社と、平成28年5月から契約しています。
作業場所は、(1)就労施設内 (2)弊社作業所の2種類があり、その両方での契約を結んでいるのはハニービーさんのみです。(2)は弊社では初の試みでしたが、数か月にわたるハニービーさんのお仕事ぶりからスキルの高さを実感し、思い切ってお願いしてみることにしました。

どんな仕事を依頼していますか?

就労施設内での作業は、電気メーターを一定量預けて、分解が完了次第納品となる出来高制です。一方、弊社作業所では各所から集まってくる電気メーター部品の分別や、大型変圧器の解体などを行っています。ハニービーさんには1日あたり10~15時の時給制で、施設スタッフ1名と利用者3名のチームで作業していただいています。
驚いたのは、施設内での作業は慣れるにつれてどんどん作業効率がアップしていき、当初に比べて納品期間が半分以下になったことです。弊社の作業所でも、スタッフの方がしっかりと管理してくださるので、全く手がかからず安心して作業をおまかせしています。また仕事内容とは別のことですが、4人で相乗りして出社されるため、駐車場が1台分のスペースで事足りるのも大いに助かっています。

成果・感想を聞かせてください。

利用者の方々とお仕事する中で、正直言って健常者との違いはほとんど感じません。的確に作業内容を伝えれば単純作業でも飽きずにやってもらえますし、真面目にコツコツと取り組む姿勢をみていると、仕事そのものにも適性があるように思います。
弊社としては、コスト面・管理面でかなりメリットがあるので、今後も積極的におつきあいしていきたいと考えています。仕事量や作業スペースとのバランスを考慮しつつ、人数や時間を増やすなど両者がより満足できる方向へ進んでいきたいです。
ほかの企業の方々も仕事全体を深く分析すれば、きっと就労施設の力を活用できる分野があると思います。ぜひ”業務の棚おろし”をしてみてください。

専務取締役 谷内 孝行さん

施設担当者の声

業務契約のきっかけは?

当施設は150名以上が利用する石川県内最大規模の就労施設(A型事業所)です。施設外では箱詰め・袋詰め・データー入力など、施設外では清掃や運搬など幅広い業務実績があります。ですから、県から新興商会さんのお話をいただいて見学した際も、これまでの仕事に比べて特に難しさは感じませんでした。利用者にも「やってみたい」と言う人が多く、電気メーターという珍しい機器を分解する作業に面白さを感じている様子がうかがわれました。新興商会さんには私たちの意向をお伝えし、平成28年6月からまず施設内での作業を開始しました。

仕事上の工夫・手応えを教えてください

電力メーターの仕事には、(1)ネジをはずす (2)蓋を開ける (3)分解・分類する の3つのステップがあります。最初、利用者さんたちは各自バラバラに作業していましたが、そのうちステップ毎に分担してスムーズな流れを作っていきました。種類が異なるメーターにも臨機応変に対応できるようになり、2か月もすると当初1週間かかっていた仕事量を2日ほどで完了できるようになっていました。
ほどなく新興商会さんから「来社して作業をやってほしい」とのお誘いをいただき、「利用者の経験は増やしたいが、負担は軽減したい」という方向で検討することになりました。最終的には、月~金曜の日替わりで5事業所が担当し、スタッフ1名と利用者2名は固定、後の1名は流動的というシステムでお引き受けすることになりました。
やってみると、利用者さんの表情が就労施設内よりもイキイキとし、仕事意識に目覚めていく様子が明らかに伝わってきました。さらに「もっと働きたい」との声も聞かれるようなりました。新興商会さんからスタッフへ、スタッフから利用者へと指示をシンプルに的確に伝えることによって、予想以上の成果が出せたと思います。

これからの展望は?

新興商会さんのお仕事は、施設にとっても利用者にとっても大きな自信につながりました。作業や形態が利用者に合っていることもわかりましたので、当施設の業務の柱のひとつとして継続し、同タイプの仕事をもっと広げていきたいですね。
私たちハニービーが目指すのは「限りなく一般企業に使い事業所」です。福祉施設だからではなく、仕事内容で選ばれたい。現在はおかけさまで多種多様な仕事のご依頼をいただいていますが、今後はさらにそのクオリティを高めるためにスキルアップしていく必要があります。利用者がそれぞれの力を発揮できるよう、スタッフとともに一丸となってがんばっていきたいと思います。

中込 諒仁さん