かけはしネット

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株式会社 四十萬谷本舗(しじまやほんぽ)×ワークセンター 星が岡

看板商品「かぶら寿し」の原料収穫を安定サポート
土や外部スタッフとふれあい、利用者も元気に!
業務委託内容:カブなど農産物の播種・栽培・収穫
業務を発注した企業:株式会社 四十萬谷本舗(しじまやほんぽ)
業務を受注した施設:ワークセンター 星が岡

企業・施設情報

企業名 株式会社 四十萬谷本舗(しじまやほんぽ)
所在地 石川県金沢市弥生1-17-28
TEL 076-241-4173
FAX 076-241-8977
URL https://www.kabura.jp/
業務内容 漬物、味噌、醤油、佃煮、製造販売業
施設名 ワークセンター 星が岡
所在地 石川県能美市和気町ヤ4-5
TEL 0761-51-6553
FAX 0761-51-6156
URL http://www.bussien.com/hoshigaoka/
サービスの種類 就労継続支援A・B型事業所

企業担当者の声

作業依頼のきっかけは?

当社では、かぶら寿しに使用する「百万石青首かぶら」を自社農園や契約農家で生産しています。その収穫時期の6、11月に毎年人手不足となり、頭を悩ませていたんです。そんな折、契約農家の方から、ワークセンター星が岡さんをご紹介いただきました。施設の担当者にお会いして、仕事の内容や、季節ごとの作業に合わせて日程や人員調整が必要なことなどをお話すると、快く引き受けていただけることに。現場には施設スタッフと弊社スタッフが付き添って作業することになりました。これまでに就労施設との直接的なお付き合いはありませんでしたが、養護学校の生徒さんに手伝っていただいた経験があったので、利用者さんに対しての不安感は全くありませんでしたね。まずは繁忙期の収穫期からということで、2017年6月から自社農園に来ていただきました。

どんな仕事を依頼していますか?

かぶらの収穫は春期4~6月、冬期9~11月の年2期。白山市内の畑を中心に、春は約1万玉、秋は約5万玉を収穫します。かぶらは連作できないので、毎年、畑を替えての作業となります。作業内容は播種から収穫まで。播種はテープを使って2粒ずつ撒き、栽培中は間引きや除草、収穫は採取と洗浄です。施設には約1週間前に作業スケジュールをお知らせし、人員を確保していただいています。最も人手がかかり、大変なのは収穫。採取の際には葉の部分を包丁で切り取る作業があって心配していたのですが、適した利用者さんを配置してくださるので安心してお任せできています。

成果・感想を聞かせてください。

以前、収穫期は近隣の農家さんに手助けしてもらっていましたが、まとまった人数が定期的に確保できるようになって助かっています。利用者さんの集中した真面目な働きぶりにも感心しますね。共に作業し始めて半年たちましたが、利用者の親御さんからは「この仕事をやるようになって、働くことに喜びを感じているようです」との声もいただいているそうです。畑で体を動かしてストレスを発散し、元気になっていく利用者さんの姿を間近に見ていましたので、その言葉が率直に実感できましたね。
こうした農業と福祉の連携は、企業の人不足、施設の働き口確保、利用者の生きがいづくりの“三方良し”につながる取り組みだと思います。今後は、かぶら以外の農産物の生産にも関わってもらうなど、通年作業してもらえる体制を整えていきたいですね。利用者の方々に「四十萬谷の畑で仕事をして、楽しかった」と充実した日々を送っていただきたいです。

株式会社 四十萬谷本舗 農事部 西田正人さん

施設担当者の声

業務契約のきっかけ

地域の方々と一緒に働ける場を増やしたいと白山市の農家さんにご相談したところ、お付き合いのある四十萬谷さんに繋げてくださいました。四十萬谷さんは、かぶらの収穫時の人手が足らず、安定的に確保できる人員を探しておられるとのこと。当事業所では、元々ビニールハウスでの水耕栽培で小松菜やレタス、露地でじゃがいもやナスなどを自家栽培していたので、願ってもないお話でした。事業所を利用されている方々は、農業を希望する人も多く、四十萬谷さんのご希望に合わせた日程調整や人員確保も無理なくできそうでしたので、早速お引き受けすることにしました。

仕事上の工夫・手応え

作業は四十萬谷さんの畑に赴いて行う施設外労働という形で行っています。1回につき約7名のメンバーと職員1~2名を配置、四十萬谷さんのスタッフも立ち会ってくださいます。時間は10~15時まで、間に1時間の休憩をはさんでの作業です。農作業は障害の特性に応じた分業体制により、役割がはっきりしているので、集中して作業することができ、自然とのふれあいを通じた癒しの効果も得ることができると思います。
人と接することが苦手だった人は、この仕事で自然と向き合ううちに心が安定し、週2回の通所から毎日時間いっぱい働けるようになり、作業意欲も旺盛になりました。大声を出して周りから敬遠されがちだった人は、畑で思い切り大声を出しながら作業に取り組めることで感情をコントロールしています。大声で喋っていない日があると周りが物足りなく感じるほどになじんでいます。このように四十萬谷の皆さんがメンバーひとりひとりの個性を理解して、垣根なく接してくださるのがうれしいですね。地域に出て地域の人と繋がり、一緒に仕事をさせて頂く中で、確実に「自分の出来ることが増えている」「一般就労への訓練になる」と感じています。

これからの展望は?

連携作業を通して、企業側が障害者の理解を深めていただく機会となっているので、事業所を利用されている方々が、これからの農業の担い手として本来持っている力を発揮し、自信と誇りを持って活躍できるように、また仕事のやりがいや楽しさを感じることができるよう支援していきたいです。

お話を伺った施設担当者:支援チーフ 金戸 美佐子さん